馬と犬インフルエンザ~競馬ファン熱狂の有馬記念が大波乱?!


今年はインフルエンザの流行が早いですね。

9月に学級閉鎖する学校もあったくらいで、冬の感染症という感じが薄れているような気がします。

以前猫インフルエンザの話(⇒猫インフルエンザの大流行)は書きましたが、犬が罹る犬インフルエンザもあります。

犬インフルエンザは割と新しく、発現してまだ15年ほどです。

これを読んで

「混合ワクチンに入っているから、うちの犬は大丈夫よね」

と思った方!

混合ワクチンに入っているのは、『犬パラインフルエンザ』であって、残念ながら犬インフルエンザとは別物です。

(犬パラインフルエンザはコアワクチンではないので、混合されてない場合もあります)

最初に検出されたのが、2004年アメリカ・テキサス州でのこと。

この時検出された型はH3N8です。

この型はこれまで馬にしか感染しないと考えられていました。

なので別名『馬インフルエンザ』

馬インフルエンザは、日本でも1971年に初めて感染が確認されました。

それまで馬インフルエンザは存在しなかったのですが、輸入馬から瞬く間に感染が広がり、その年のG1レース有馬記念の出走予定馬が何頭も出走できなくなりました。

そして出走できた本命馬も惨敗に終わり、レース後間もなく感染が確認されました。

その影響は翌年にも及び、皐月賞や日本ダービーが延期されるような事態に。

症状としては、発熱、激しい咳、鼻汁といった呼吸器感染で、人間のインフルエンザとほぼ同じです。

(しかし馬から人間への感染は今のところありません)

そのためこれ以降、ワクチンの定期接種が行われています。

ところが最初の発生から36年後の2007年、再び流行しました。

この時は秋田で行われていた国体で、馬術競技が中止になりました。

普段馬術や競馬に出走している健康な馬ならば、命に関わるような重篤なケースはあまりありませんが、伝染力が強く、気が付いた時はかなりの馬に感染が認められるのが特徴です。

2000年以降、ヨーロッパでは感染しても症状が出ない『不顕性感染』もたびたび見られるようになりました。

またワクチンを接種しているにも関わらず感染するケースも。

これらはウィルスの遺伝子が変化し始めているサインとも考えられます。

犬インフルエンザが確認された2004年というのは、まさに関係者の中でその疑いが出始めた頃です。

初めて感染が認められた犬は、競馬場で行われるドッグレースに出ていたグレイハウンドでした。

元々の宿主(この場合は馬)への影響が変化したと思った時に、同じ哺乳類とは言え別の種に感染する。

ウィルスのお馴染みの戦略です。

ところが2015年にシカゴからニューヨークまで一気に感染が広がり、現在に至っている犬インフルエンザはH3N2型です。

これは鳥インフルエンザです。

ほぼ同じ時期に大流行した猫インフルエンザも鳥インフルエンザでしたが、こちらはH7N2型

別ルートでの変異です。

今の所、犬インフルエンザは8つの型が確認されていますが、いずれも犬から人への感染は認められていません。

ただ犬から猫へ感染した型はあります。

ただ一つ気になっているのが、8つの型の中に、豚インフルエンザから変異した可能性がある犬インフルエンザがあること。

豚に感染したインフルエンザウィルスは、人に罹りやすい型になる可能性があります。

昨年から気になっている豚コレラウィルスは現在進行形ですが、このウィルスは本来イノシシが感染するものでした。

それが豚を品種改良しているうちに感染するようになったのです。

(⇒豚コレラの行方

しかも鶏が罹るニューカッスル病ウィルスによって、ウィルスが増強するという変わった特徴も。

生物本来の特性を無視して、人間の都合に合わせたことによる”無茶ぶり”の代償は、想像以上に大きいものがあります。

現在問題になっている環境問題しかり、遺伝子組み換え食品、ゲノム編集食品、多くの感染症や難病。

ワクチンや治療薬の開発も重要ですが、それは根本的な解決になりません。

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