芯もひげもハイパワー!丸ごと取り入れたいトウモロコシ
- 青い森工房
- 9月25日
- 読了時間: 4分
更新日:9月25日

トウモロコシは犬に良くない食材?
トウモロコシの甘さを好む犬は多く、おやつにあげている方も少なくないと思います。
一方で「トウモロコシが入っているドッグフードは良くないと聞いた」
という方に時折出会います。
これはおそらく
『ドッグフードの原材料表記の中で、一番最初に記載されるほど比率が多いのは良くない』
という話を
『トウモロコシは良くない』
と誤解されているのでしょう。
トウモロコシ自体は栄養的にも薬膳的にも非常に優れた食材です。

漢方薬にも使われるトウモロコシ
普段食べられている種実には、胃や大腸に作用してむくみや便秘を解消する力があります。
胃を整え、消化機能を円滑になるよう調整する力があります。また胆汁の排出も円滑にするので、血中の脂質抑制にもつながるとされています。
そのため暑さで食欲がない時にも、とても良い食材なのです。
ところがトウモロコシは種実より、ひげや芯の方が薬効が高いのです。
ひげは1本1本が種実に繋がっているのですが、玉米鬚(ぎょくべいじゅ)という生薬名で呼ばれ、肝・腎・膀胱・心・小腸に作用し、様々な原因で起こるむくみを解消してくれます。
特に日本の気候で起きやすい”湿熱”(=余分な水分や熱が体にこもること)の解消に大変役に立ちます。

暑さで水分をたくさん摂っているのに、どこかで滞っていたり、必要な所に届いていないとおしっこの量が減ることがあります。
これは膀胱炎などの泌尿器感染症の原因になったり、腎結石につながることがあります。
トウモロコシのひげは、そういった時に体内の水の流れを良くして尿量を増やし、腎結石を予防します。
同時に高血圧、糖尿病の予防などにも使われています。
また種実同様、胆汁の流れを良くするので胆石や黄疸の改善にも有効です。

芯も有効活用して、是非ネコちゃんにも
芯の効果はひげとほぼ同じで、体の余分な湿気や熱を取ってくれます。
そのためトウモロコシご飯を炊く時は、是非種実を外した後の芯も一緒に入れて下さい。旨みが増し、芯の良さも取り入れることができます。
コーンスープを作る時は芯ごとミキサーにかけて、裏ごしすると良いでしょう。
もっとシンプルに芯と鶏ガラスープで、お好みの肉や野菜(じゃがいも、ニンジン、キャベツなど)と煮込むのもお勧めです。
(人間用はより手軽に鶏ガラスープの素やコンソメの素などを使ったり、シチューやカレーにしても良いでしょう)

ひげ同様、乾燥させて煮出してお茶として飲むこともできます。
芯1本あたり500mlの水で煮出して下さい。
冷ましたものを水分補給に飲ませてもいいし、フードにかけても良いです。
特に猫は犬と違い、甘さを好まないのでトウモロコシにあまり興味を持たないことが多いですが、腎臓を助けるためにも煮出し汁をフードにかけたり、手作り食への利用をお勧めしたいです。
乾燥させた芯を、一度フライパンで炒ってから煮出すと、さらに香ばしい風味が楽しめます。
芯は固いので、ミキサーにかけたり擦り下ろす以外は、煮出して使う方が簡単で安心です。
煮出すだけで、その効果は十分取り入れられます。

さらに簡単に取り入れたい場合と注意点
ベビーコーンなら、トウモロコシ全体をより簡単に取り入れられます。
多くのスーパーで、水煮や冷凍などで販売されているので比較的手軽に手に入ります。
また夏野菜は体を冷やすものが多いですが、トウモロコシは平性食材で『余分な熱は冷ますが、体を冷やさない』という特徴があります。
そのため冷凍コーンなどを活用すれば、”腎”の働きを助けたい冬場などにも、安心して使えます。
しかし新鮮なトウモロコシが手に入る時期は、ひげも刻んでスープに入れたり、2~3日乾燥させてお茶として頂くのがおススメです。
ただ一つ注意点があり、食用に使うひげは白い部分を使い、穂先の茶色くなったところは使わないで下さいね。
それとここでご紹介したトウモロコシのパワーは、夏場にスーパーの野菜売り場などで販売される”スイートコーン”のことです。
海外で主流になっている遺伝子組み変えトウモロコシは別の問題がありますので、ご注意下さい。




