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東洋医学から見る⑥夏を乗り切る食餌


夏は心臓の季節!

木々も青々と茂るように、多くの生命エネルギーが高まり、活動量が増えます。

活動量が増えると、単純に心臓の活動も増えますが、人間の場合、汗を出して熱を逃がそうとするため、血液中の水分がミネラルと共に失われます。

それによって血液の粘度が上がって流れにくくなるため、心臓のポンプはさらに仕事量が増える季節です。

犬猫の場合は、”汗”として排出されることはありませんが、やはり全身の血液を効率よく回し、体温を下げる活動が高まります。

この場合も、やはり心臓の仕事量が増えます。

また日本は梅雨があり、真夏でも湿気の多い暑さが特徴です。

暑さ&湿気。

湿気によって熱を発散しにくい環境は、色々と問題が起こりやすい環境です。

”体に溜まった余分な熱を取ること”と、”冷え”は違います。

熱中症の注意も必要ですが、外気温との寒暖差がありすぎるのも体の負担になります。

この時期の食餌のポイントは、

・体のほてり取る

・余分な水分を全身に回す

この2点です。

動物の体のほてりを判断する一つの目安として、イボ状のできものや、皮膚にポツポツが出る・・ということがあります。

このような場合、体に熱がこもりやすい体質である可能性があります。

そういう体質の場合は、冷え対策に温性・熱性食材を摂るより、体内の水分の巡りを良くする食材で、熱を発散させ全身のバランスをとる方が良いでしょう。

またほてりを取るために”涼性”や”寒性”の食材ばかり摂ると、胃腸を冷やし、脾や胃の活動が落ちてしまいます。

夏は心臓と並んで、”小腸”も季節を象徴する臓器です。

(小腸も象徴・・ってダジャレじゃないよ!)

高温多湿で物が腐りやすいので、食中毒が起きやすい季節ですよね。

胃が弱って、胃酸の分泌が落ちると、消化能力だけでなく、殺菌力も落ちます。

また脾が弱ると、免疫力も落ちてくるので、中毒が起きやすい条件が揃います。

ウィルス性胃腸炎は、主に小腸で起こる疾患です。

ウィルスによって消化能力はさらに落ち、突然の嘔吐が起こります。

ノロウィルスやロタウィルスは寒い時期に感染者が増えますが、いわゆるプール熱と言われる咽頭炎や結膜炎の原因となるアデノウィルスは、50種類以上の型があり、型によっては胃腸炎の原因にもなります。

そしてアデノウィルスによる胃腸炎は、季節を問わず見られます。

犬もアデノウィルス1型、2型による感染症があります。

1型は伝染性肝炎とも言われ、下痢・嘔吐・高熱・肝臓の腫れなど消化器系を中心とした症状が出て、子犬だと命に関わることもあります。

(成犬だとほとんど症状が出ないケースも)

一方、2型はくしゃみ・鼻水・咳など咽頭気管支炎の症状です。

これらはどちらもワクチンがあります。

しかしワクチンがあるから大丈夫・・・という話ではなく、こういう感染症に罹ることで

例1:下痢・嘔吐⇒脱水⇒心臓が血液を押し出す力を強めなくてはならない

例2:高熱⇒脱水⇒例1と同じ

例3:咽頭の腫れ・気管支の炎症⇒熱を発し、体力を消耗⇒やっぱり例1と同じ

一見違う症状に見えて、結局心臓に負担が来ます。

そして以前のブログにも書きましたが、『心と肝は一緒に見ろ!』という肝心要※の基本。

どちらが一方だけが悪くなることもないけど、どちらか一方だけが良くなることもない。

参考ブログ夏と心臓

心臓のケアには、肝臓のバックアップが必要です。

また耳に症状が出やすいのも、この時期の特徴です。

これもまた、心臓と小腸の状態を示すサインですので、見逃さないようにしましょう。

では具体的にお薦め食材をあげると・・・

①しそ(温性)

解毒・殺菌といえばこれでしょう。

お刺身のつまとしての定番ですが、素麺や納豆の薬味としても使われますね。

血行だけでなく、気の流れも良くし、漢方薬としても使われています。

胃の働きを整え、咳やくしゃみなど気管支の炎症を伴うような風邪にもお薦めです。

また最近の研究で抗アレルギー効果も分かり、この時期の諸症状に対応できる万能選手です。

②とうもろこし(平性)

甘いので犬が喜ぶ食材の一つですが、翌日のウンチに黄色いツブツブが混じることがありますね。

あれは栄養がたっぷり詰まった胚芽部分なので、ホントは消化吸収して欲しい部分です。

そのためミキサーやすり鉢等でスープ状にするのがお薦めです。

またポップコーンをおやつにするのもいいでしょう。

(人間用はあとで塩をふって)

しかし実以上にお薦めなのが、”ひげ”と実を包んでいる”葉”

肝臓や腎臓の働きをサポートし、湿気が原因で起こる水分の滞りを流してくれます。

また胆汁の流れも良くしてくれるので、解毒作業のバックアップもしてくれます。

ひげと葉も1~2枚煮出して冷ましておき、フードにかけたり散歩の後の水分補給に活用して下さい。

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