東洋医学から見る28~腎臓と歯周病の関係


草やティッシュペーパーを食べたがることはありませんか?

草をやたら食べたがる時は胃がムカムカしている・・・というのは多くの飼い主さんがご存じだと思います。

ティッシュを食べたがる時も同じような理由で、胃に熱がこもっている状態だと考えます。


『胃に熱がこもる』状態は、いくつかの原因で起こりますが、影響が大きいキーマンの一つが”腎臓”です。


腎臓の機能低下が消化機能に影響を及ぼすわけ

腎臓は全身に水分を回し、各臓器を冷やす役目があります。


そのため腎臓が何らかの理由で弱っていたり、トラブルが起こって機能低下を起こすと、冷やす能力も落ちてしまいます。

そうなるとまず影響を受けるのが、胃と碑なのです。



胃の余分な熱が上がると、胃酸の分泌や唾液にも影響を与え、嘔吐することも出てきます。



消化機能の崩れは、消化の入口である口の粘膜や舌、歯茎などにも影響が出ます。

健康なら薄く白い舌苔が、厚くなったり色が黄色っぽくなったり。

また歯茎には炎症が起こったり、血がでたり・・。



さらに胃の熱が上がると、舌苔はなくなって(特に中央部)暗赤色のつるっとした舌になり、口内には潰瘍ができることもあります。

こうなると息の臭いもひどくなり、ティッシュや紙類だけでなく、石を飲み込んだりすることも出てきます。



腎臓が弱ると歯に影響が出る

腎臓は、東洋医学的に骨と深く関わっています。

関連ブログ⇒椎間板・軟骨と腎臓の関係




歯も骨の一部ですから、虫歯や歯石だけでなく、歯の色の変化からもある程度腎臓の状態を伺うことができると考えられているのです。

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一方、胃・脾が影響を与えているのは、”筋肉”や”口”



つまり腎・胃・脾のバランスが崩れたら、口の中の状態が崩れるのは避けられないのです。

ただ体質によって、症状の出方が違います。


一般に高熱が出るほど、より重症とみる傾向になりますが、東洋医学的には体質によって熱の出方が違うと考えますので、熱があまり高くないから「たいしたことない」とは考えません。


実は「熱が出せない」=いわゆる”虚熱”といわれるものの方が、対処が難しいのです。


胃・脾⇒腎臓。腎臓⇒心臓

胃と脾が腎臓を支配し、腎臓は心臓を支配していると考えられています。

まるで季節の移ろいのようですが、こうして体内はバランスをとっています。



例えば土(胃・脾)水(腎臓)が足りないと、土はカラカラに渇き、木は枯れてしまいます。


そして水(腎臓)が足りないと火(心臓)は強くなりすぎて、木を燃やしかねません。



近年『虫歯や歯周病を放置すると、腎臓疾患や心臓病の原因になる』と、オーラルケアの大切さが認識され、自治体による歯科検診なども進んでいます。

しかし東洋医学では昔からこの三者の関連性は認識されていたのです。



歯を失ったり、歯周病で口内が痛むと、しっかり噛まないで食事をとったり、食べられるものが限られたりしますから、消化能力にも影響します。



こうして循環してバランスをとっている体内機能が、一か所狂うと悪い循環の方になってしまうのです。



まとめ

このような理由から東洋医学では『歯周病』『胃のむかつき』『腎機能低下』という目の前の症状だけで見ることがありません。



痛みや炎症など、そのままでは辛く、生活の質が落ちることに対しては、とりあえず西洋薬で抑え、その後本当の原因がどこにあるか探ります。



全てが協力し合って一つの体を支えていることを忘れると、目の前の対処療法だけになり、何度も繰り返すようになります。




例えば『生まれつき”腎”が弱い』というケースもありますが、

「だから歯周病になりやすくてもしょうがない」

ということはありません。

それならその体質にあった生活の仕方、食餌というものがあります



毎日エネルギッシュに過ごすことだけが正解ではありません。


犬だって、穏やかにゆったり過ごすのが合っている子だっているのです。