お腹が弱いタイプの食餌


『お腹が弱い』と一言で言っても、実は原因は様々なのですが、今日は”胃”に原因があって軟便やおなら、ゲップなどを伴うタイプについて取り上げます。



このようなタイプは普段から

・食にあまり興味を示さない

・食欲がない(ムラがある)

ということがよく見られます。


また食べるとすぐ排便したがったり、一日の排便回数が多いのも特徴です。

(場合によっては食餌の途中でトイレに行くことも)



そのためとにかく食べてくれるフードを探して続けている方が多いのですが、「これだ」というフードにまず出会えません。


その上もともと、軟便になりやすいので、フードが合わなくてお腹がゆるいのか、体質的な問題なのか判断が難しいです。



そのためこういうケースでは、まず手作り食をお勧めするのですが、栄養バランスが崩れるのではないかと心配され、踏み切れないことも多いです。



「胃腸が弱い犬用の療法食ではダメですか?」

と聞かれることもありますが、胃の気が衰えているタイプの犬には良い結果につながったことがありません。(あくまでも私の経験の中でのことですが)


最近はネットやホームセンターなどでも療法食を購入できますが、本来は獣医師の指示・管理の下給餌されるべきものなので、私の方から療法食をお勧めすることはありません。



飼い主さんが納得して前に進むことが大切なので、

「ではそのフードを試してみて、あまり状況が変わらなかったら手作り食を試してみましょう」

とご提案するのですが、たいてい1週間から10日もすると

「手作り食のレシピを教えて下さい」

とご連絡頂きます。



すると今度は数日後にご連絡頂きます。

「すごく良く食べるんです!」

「楽しそうに食べるんです!」

「食餌の時間になるとそわそわするんです!」


含有量が全て吸収されるとは限らない

食餌を楽しみようになった姿を見ると、飼い主さんも少し安心されるのか

「栄養バランスも大切ですが、胃の気を整え、食べたものをきちんと吸収できるバランスのとれた体を作っていきましょう」

という話にも耳を傾けて頂けるようになります。



手作り食のカロリーやビタミン量を気にする方も多いですが、まずは胃を整え必要なものがきちんと吸収される体になることが大切です。


体重当たりの必要摂取量の目安はあっても、それがあなたの犬や猫の体質に合っているかは分かりません。

またフードに必要量が含まれていても、その必要量がどの程度吸収されているかは測りようがないのです。



「だったら、サプリなどで多めに与えておけばいい」

という風潮もあるのですが、サプリの多くは石油から合成したものが多く、天然成分から抽出したものでも成分を安定させるための添加物が避けられません。



そのため消化が悪く、肝臓での分解に時間もかかり、かえって体の負担を増やすこともしばしば起こります。

つまり今回のようなお悩みを抱える体質では、悪循環に陥るきっかけになることもあるのです。



その点食餌から摂るビタミンやミネラルは他の成分と結合していることが多く、それが体内に効率よく吸収・利用される理由だと考えられています。



つまり食餌から摂るものは、成分量では単純に比較できないパワーがあるのです。


おならが出ることそのものが問題なのではない

おならは、飲み込んだ空気が出ることもあり、匂いがなければそんなに気にすることもありません。



ただ胃の気が不足しやすいタイプが質の悪いタンパク質や炭水化物を多く含むフードを食べると、小腸で消化しきれなかった未消化物が結腸にまで達します。

そこで微生物たちが本来そこにないはずの物質を分解するとガスが発生し、臭いおならになるのです。


このようなタイプに向いている食材

なんたって炭水化物源には白米です。


完全に消化される唯一の穀物であり、腸壁を守る成分もあります。

食餌に変化をつけるために、時折ジャガイモを使ってもよいでしょう。



タンパク源には鶏肉やラム。魚ならイワシやサバが向いています。

野菜は柔らかく煮たニンジンやカブ


アルファルファを刻んで、生のままひとつまみトッピングするのもお勧めです。




胃の気が整うと胃の冷えも取れてきて、しっかり食べられるようになります。

それにより血液も作られ、筋肉も充実してくるので、疲れにくくなり自然と運動量が増えてきます。


運動量増える⇒血流が良くなる(毛艶も良くなる)⇒お腹がすく


という好循環が起こります。

季節や年齢によって多少波が起こるのは自然なことですが、好循環が長く維持できるようになると、お腹の弱さはいつしか気にならなくなります。



体質的に誰しも弱点があるものですが、その箇所だけを見ず、全身の流れを良くしていくことが大切です。