川の流れに身を任せられない話


去る5月27日、フィンランドで開催された環境毒性化学学会の欧州支部の年会で、切迫した大きな問題が発表されました。

ちなみに環境毒性化学学会は、農薬・医薬品・重金属・残留性有機汚染物質・ナノ物質等の、環境リスクや環境動態、生態毒性などを扱っています。

特に、近年世界的な問題となっているのは、残留性有機汚染物質です。

これは具体的に上げると、難分解性、高蓄積性、長距離移動性、有害性(人の健康・生態系)を持つ物質のことを指します。(環境省HP参照)

今回問題になったのは、川に残留する抗生物質です。

抗生物質は、体内の細菌に作用するもので、体内では分解されません。

そのため体内で使われなかった分は、尿や便として排泄されるし、尿道炎などの治療に使われるものは、あえて尿に高濃度に入ることを望まれる薬もあります。

しかしそれらが、川へ流れ込み生態系や私たちの健康をも悪影響を及ぼすデータが出ました。

今回、イギリス・ヨーク大学ボクソール氏らは、南極を除く全大陸72か国・91河川で調査しました。

抗生物質と言っても、非常に種類が多いので、全世界で広く使われている14種類の抗生物質に絞って調査されました。

すると65%の試料から、少なくとも1種類は検出しました。

(調査対象の抗生物質をもっと増やすとこの検出割合は増えるでしょう)

その原因は私たちの排泄物に由来すると考えられることから、下水処理が十分でない地域から出たと思いきや、地球上全ての大陸の河川から検出されました。

今回の結果からは、最新鋭の下水処理施設でも残留抗生物質は、完全に取り除くことはできないことを示しています。

この残留がもたらす問題は、大きく2つあります。

①生態系への影響

抗生物質が検出されたとなれば、当然すでに水中の微生物に影響を与えていることでしょう。

水中の微生物群が抗生物質の影響を受けると、バランスが変わります。

人間でも腸内細菌叢のバランスが変わり、お通じに影響が出ることはありますね。

それと同様、細菌群のバランスが変わるということは、他の水中生物の生態も変える可能性が高いのです。

②耐性菌の発生

抗生物質の影響から生き抜いた細菌は、耐性菌を作ります。

これが私たちの健康に、大きく関わります。

ちなみに今回の研究では、あのヨハン・シュトラウス2世の名曲の舞台でもある”美しき碧き”ドナウ川で、なんと7種類もの抗生物質を検出しました。

ドナウ川はドイツ国内に水源があり、オーストリア・ハンガリーなど流域は17か国に及び、河口はルーマニアで、黒海に注いでいます。

検出された抗生物質のうち、クラリスロマイシンの残留は、安全基準値の4倍にも及びました。

クラリスロマイシンは、子供から高齢者まで広く使われている薬です。

(製品名:クラリス・クラリシッド・クラリスロマイシン等。錠剤から粉、シロップなど有り)

いわゆる喉が痛い、咳が出るなどの風邪には定番の一つかもしれません。

アレルギーを起こすことが少ないとされ、ペニシリン系やセフェム系など、少し前の抗生物質にアレルギーがある人でも使えることが多いです。

その守備範囲の広さで、肺炎球菌やマイコプラズマによる肺炎、クラジミアによる尿道炎などに処方されます。

尿道炎によく使われる理由として、この薬の特徴である”体内吸収が良く、尿中への排出が良好である”からです。

口から飲んだ薬は、一旦吸収され血中を移動します。

そして尿を作る際に、高濃度で尿へ移動してくれると”良く効く薬”と言われます。

尿道の細菌をたたくには、尿に薬が一定濃度で含まれていることが重要です。

・・・ということは、環境下に放出されやすい特徴を持っているとも言えます。

また胃酸の影響を受けにくい特徴があり、ピロリ菌の除菌にも保険適用されています。(・・・ということは、かなりの強酸下でも影響を受けずに残るとも言えます)

ブタペスト市内を流れるドナウ川

ただヨーロッパでは、一般的に日本ほど頻繁に抗生物質を処方しないので、この薬がこれほど検出されたのは、問題の大きさを物語っています。

そもそもヨーロッパの多くの国では、風邪やインフルエンザに罹患しても、病院へは行かない人がほとんどです。

衛生環境が整い、栄養状態も悪くない国では、

感染症に罹った時=免疫力が落ちている時

に病院へ行くことは、他の病気に罹る可能性があり、リスクが高いと考えます。

バングラデシュの川の風景

一方、バングラデシュのブラマプトラ川では、メトロニダゾール濃度が限界値の300倍も検出。

この川はガンジス川と合流し、ベンガル湾に注いでいます。

メトロニダゾールはやはり日本でもおなじみの薬で、

・怪我をした時や手術後の感染症予防。

・トリコモナス症や骨盤内の炎症。

・皮膚の感染症。

・肺炎や骨髄炎、腹膜炎など命に関わるような疾患。

こちらもピロリ菌の除去に使われ、広い診療科で使用されています。

またこの薬は犬猫の治療でも、一般的に使われており、非常に身近に存在しています。

当地では、人口増加にインフラが追い付いておらず、上下水道の未整備から起こるアメーバ赤痢などを始めとした消化管感染症の治療で頻繁に使われていると予想できます。

しかしこの問題は、環境整備が整えば大いに改善の余地があります。

2016年のデータでは、薬剤耐性菌で命を落とす人が全世界で70万人にも達しています。

この悪い流れに身を任せていては、令和生まれの赤ちゃんが成人する頃には、日常の小さな怪我や軽い感染症が命取りになる危険をはらんでいます。

代表的な抗インフルエンザウィルス薬であるタミフルの全世界生産量の3/4を日本で使用しているのも、異常事態だと思います。

このままでは、細菌性・ウィルス性どちらの感染症にも効く薬がなくなる最初の国になるやもしれません。

状況は一刻の猶予もない局面に来ています。

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