お問い合わせから⑥(フードにトッピングはダメって言われたんですけど)
- 青い森工房
- 2018年2月15日
- 読了時間: 4分
更新日:2021年1月24日

現在お使いのフードが【総合栄養食】と表記されているものでしたら、いくつかの理由でトッピングはお薦めしません。
お水やぬるま湯で浸すくらいのカスタマイズならともかく、多くの場合カロリー・栄養素どちらもオーバーになります。
「その分、フードを減らしているから大丈夫」
という方もいらっしゃいますが、今度は栄養的なバランスが崩れます。
またトッピングの種類も、良くお伺いしないと時々びっくりするケースがあります。
”鶏のササミ”はまあいいとして、”白飯”や”牛乳”、”人間用プロセスチーズ”からおつまみでお馴染みの”カルパス”(1口サイズのサラミ)やさらし玉ねぎというのには、仰天しました。
白飯やチーズがダメだという訳ではありません。
例えば総合栄養食に白飯トッピングは、牛丼をおかずに白飯を食べるようなものです。
また、チーズもカッテージチーズなど、種類を選べば良いものもありますが、塩分が多く加工度の高いプロセスチーズは、例え手作り食でも使えません。
・・・カルパス、確かに美味しいですよね。
しかしそれを「総合栄養食に一日2~3個トッピングしている」というお話を最初に伺った時、聞き覚えのある名前に『カルパス?なんだっけ?どんなパッケージのやつだっけ?』と犬用おやつ売り場を思い浮かべました。
その時隣りから、晩酌が趣味?!の同僚が、
「サラミだよ!人間用の!!」とささやいたのでビックリ。
人間的にも味が濃い目のおつまみです。
さらし玉ねぎは言うまでもありませんよね。。。
でも血液がさらさらになるという話を聞いて、シニア期に入った犬に毎日トッピングしていたそうです。((+_+))
トッピングする動機をお聞きすると、大きく二つに分かれます。
①ドライフードを食べないから
②手作り食にしたいが、栄養バランスが心配。トッピングで”手作り食風”にしたい
まず①の『食べない』というタイプでも、食が細い・・というより、最近は太り気味のわんちゃんが多いです。
「食べなくて可哀想だから、おやつを多めにしている」
というのは本末転倒です。
そして意外と多いのが、”運動不足”
『運動不足でお腹が減らない』これ本当に多いんです。
体を使う運動はもちろんですが、室内で出来る頭を使うゲームでも違いますのでお薦めしています。
今日明日すぐに変化が見られる訳ではありませんが、1~2か月続けてもらったら、飼い主さん共々体が引き締まってきた・・という話はよくあります。
そして中には「なんかうちの子、穏やかになった気がする。前みたいにぎゃんぎゃん吠えなくなった」という方も。
エネルギーの発散というのは、心の健康にも関係します。
そして②のケース。
これはいっそのこと一日一食分だけでも、手作り食に切り替えることをお薦めします。
最近はペットショップでも、亜麻仁油や魚油など質の良い油が並んでいますが、どんなに良い物でも、総合栄養食に亜麻仁油トッピングや魚油トッピングは全くお薦めできません。
どうしても不足に対する不安があるのだと思いますが、”過剰”もまた同等かそれ以上の弊害があると考えて欲しいと思います。
食事というのは、何か足すのは簡単ですが、引くのは意外と難しいのです。
特に総合栄養食から、何かの成分だけを引くのは不可能です。
しかしいきなり手作り食は不安でしょうし、時間的にも「朝はバタバタしている」ということであれば、
朝:総合栄養食 夜:手作り食
とか、取りあえず週末だけ試してみる・・・というのもいいと思います。
私たちを含めて、生物は『何かが不足気味』の時代が長かったため、不足に対するバックアップシステムは比較的あります。
しかし『過剰』に対するシステムは、”不足”しているのです。
仮に過剰なものが入ってきても、不必要な分を排泄できれば”肥満”も起こらないでしょうが、体は『次の不足時に備えてストック』するように出来ています。
一つの目安ですが、例えば体重4キロの猫が、一日に必要なカロリーをネズミに換算すると約10匹分と言われていますが、ネズミだけを捕まえてきた猫は今も昔もいないでしょう。
小鳥だったり、虫だったり、それこそ人の残飯も食べてきたのです。
そして仮に一日に10匹捕まえられたとしても、狙って追いかけた回数は、その何倍でしょう。食べるまでのエネルギー消費が違います。
要するに、毎日同じ物を同じだけ食べるようになったのは、つい最近です。
犬猫にも、当然好みはあると思いますが、人間が考えている以上に多様な食性を持っています。
例えば夏毛と冬毛に生え変わりますよね。
それは季節に応じた体を作る機能が備わっている証拠でもあります。
(和犬は首の周りに脂肪を蓄えることもありますね)
それを考ええると、食事が一年中同じでいい訳がありません。
弊社のペットフード春夏秋冬は、そのへんの疑問も解消したくて作りました。
そしてあえて総合栄養食にしなかった理由の一つは、季節や体質に応じたトッピングが出来る余裕を持たせる為でもあります。