新日本昔話 りんごろう6


「山の水を田んぼに引くために、水路を掘っている」

「水路?」

りんごろうは背後に広がる平野を見渡しました。

「この土地は冬が厳しい。しかしその雪解け水は、瑞穂の恵みとなる」

大男は空を見上げ

「自然は思い通りにはならない。しかし少しだけ我々が手助けすることで、実るものは多い」

と言いました。

りんごろうも天を仰ぐと、大男の言葉を引き継ぐように言いました。

「実りがなければ、私たちは生きていけない」

大男は大きくうなづき

「いかにも」

サルは

「そのために水路を掘っていたのですね」

犬は

「この地の”ロマン”ですな」

ウミネコは山へ戻っていく鷹を見つけ声をかけました。

「鷹さ~ん、この人は鬼ではありませんでした」

鷹は短く返事をすると、皆の頭上で一度旋回してから山へ向かいました。

一同は豊かな大地をしばらく眺めていました。

ぎゅるぎゅるぎゅる~

静けさの中、りんごろうの腹の虫が豪快に鳴きました。

皆に注目され、恥ずかしそうな表情をするりんごろうに大男が

「皆さんがお持ちの野菜で、鍋でも作り食べませんか?」

と提案しました。

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