新日本昔話 りんごろう5


「そこの鬼!このりんごろうが、退治してくれるわ」

大男は手を止め、突然現れたりんごろうと3匹の家来を見て、きょとんとしました。

「鬼?なんのことだ?」

大男はよく陽に焼けた額の汗を手ぬぐいで押さえました。

「さっき自分で”オニ”と言ってたであろう」

「確かに一人で掘っていると”おに~”であるからな」

今度はりんごろうと家来たちが、きょとんとしました。

「海の遥か向こうにある私の故郷では、”つらい”ことを”おに~”と言う」

「さすれば、そなたは、海の遥か向こうから渡来してこの地に?」

「いかにも」

「りんごろうさん、どうも誤解だったようですね」

犬がそう言いました。

りんごろうが深くうなづくとウミネコは

「山ひとつ向こうの住人とでさえ、言葉が違うのに、そんなに遠くから来た方と言葉が違うのは当然でしょう」

「いかにも・・・我々の勇み足であったようだ」

意気消沈するりんごろうを気遣ったサルは、努めて明るい声で大男に聞きました。

「しかし御一人で、一体何を掘っているのですか?」

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