土用の丑の日はうなぎよりハモや牛の○○がおすすめ
- 青い森工房
- 7月15日
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更新日:7月15日

うなぎは夏にあまりおすすめできない理由
夏の土用が近づくと、スーパーやお弁当屋さんでもうなぎが大々的に販売されます。
しかしうなぎの旬は秋から冬であり、食材としても決して美味しい時期ではないのです。
そして薬膳的にもうなぎを含む、黒豆やゴマなど”黒い食材”は冬場に適しており、その効能を鑑みてもむしろ冬~冬土用におすすめしたい食材です。
確かにビタミンA、B群、D、E、亜鉛なども豊富で、疲れや体力の回復を手伝ってくれるので夏に食べてはいけない・・というわけではありませんが、夏の疲労と冬の疲労は原因も発生環境も違います。
夏の疲労や体調不良なら他により環境に合っている、お勧めしたい食材があります。

夏土用には”う”の付くものが良い?
確かに昔から『夏土用には”う”の付くものを食べると良い』とされており、瓜(きゅうり、スイカ、かぼちゃなど)や梅干し、うどんなどが食べられてきました。
それらは旬の野菜や果物であり、梅干しは現代でも食中毒防止にお弁当やおむすびに入れていますよね。
梅には収斂作用があるので汗を抑えたり、暑気あたり、感染性大腸炎などに良いとされていて夏にはぴったりです。
またうどん(そうめんや冷や麦なども含む)に使われる小麦は6月~8月に収穫されるので、これも季節の食材です。(春に撒いた場合はもう少し遅く晩夏から秋口に収穫)
現在のような貯蔵技術がなかった時代、前年に収穫した米を劣化させないで夏を越すのは難しく、使い切る頃に小麦の収穫時期が来るわけです。

暑さで疲れた胃腸に、うどんやそうめんが食べやすいのは多くの方が実感してると思いますが、薬膳的な観点でも小麦は体の熱を冷ましてくれ、渇きを止めてくれるのです。
そして夏の臓器・心臓の機能を円滑にしてくれて、土用の臓器・脾をサポートしてくれます。夏に起こりがちなお腹の張りや慢性的な下痢にも良く、暑さで眠りが浅くなった時も小麦は穏やかな睡眠に導いてくれます。
また体の熱を冷ますために心臓と協力して水を全身に回してくれる腎臓を補ってくれるので、夏場の炭水化物源としては適しているのです。

ハモを夏におススメしたい理由
関西では夏場にハモが好まれて食べられますが、これは大変理に適っています。しかも梅肉を添えて食べるでしょう?
ハモは体の熱を冷ます作用があり、胃・脾・肺・腎に作用し湿度の高い暑さで発散できない滞った水分を、尿として排出してくれるのです。
また暑さで低下した胃腸の働きを補い体力を回復させてくれます。
そして湿気の高い熱い空気は息苦しさを感じるように、そのような環境は肺にも負担がかかります。
ハモは肺にも作用し、呼吸によって余分な湿気を排出するサポートをします。

栄養的にはコンドロイチンがうなぎより多く、関節や皮膚、粘膜の保護、老化防止に役立ちます。
余分な湿気が関節に滞ると痛みが出る原因になりますが、ハモは水分の滞りを流しつつ、コンドロイチンで傷めた細胞を保護することもしてくれるのです。

ハモが手に入らない時は牛タンを
しかしハモは地域によっては入手が難しいでしょう。
そういった場合は、牛タンをお勧めしたいと思います。牛肉や牛レバーなど部位によっ効能が違いますが、牛タンは体を冷まし、ハモ同様に余分な水分を尿として排出する作用があります。
また湿度が高くて呼吸による水分排出が上手くいかないと、痰として喉に絡んだり、せき込むこともあります。
滞った水分が胃にあれば吐き気を感じたり嘔吐することもあるし、頭部で滞ればめまいとして表れることもあります。
牛タンはそういった水の代謝障害を除去する力があります。
ハモも牛タンも安価な食材ではありませんが、気になる時にピンポイントで取り入れ、毎年長く一段と暑い夏を健康に過ごして頂けたらと思います。



