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第111号記念~ちょっと難しいことも考えてみる


ブログを始めて1年。

今回で111号目となります。

最初は何を書いて良いのか分からず、迷走が続きましたが(今も?!)継続は力なり!

書くことで頭が整理されたり、自分の考えを見直すきっかけになったり、かなり勉強になっています。

またデータ等に間違いがあってはいけないので、文献や論文を引っ張りだして確認しているうちに、違うことが気になってきて、全然違う話題のブログになったことも・・。

(大掃除の最中に昔の写真や文集なんかに見入って手が止まり、家族に怒られるタイプです・・(^_^;))

今回もどんなテーマにするか、何本か下書きしていましたが、どれもイマイチ。

得意なテーマ微生物の話・・

最新の栄養学情報・・

生物の原点・植物から学べる話・・・

その他にも、書きかけのテーマはあったのですが、特別感がない感じ。

(勝手にスペシャル感を出して盛り上がるなよ・・と突っ込まれそうですが)

そこで、今日は犬そのもの、動物と人との関係について感じることを綴ってみようと思います。

私は生態学や行動学の専門家ではありませんので、その方々から見たら『それは違うな』というご意見もあるかもしれません。

また獣医学から見たら、また違うご意見もあるでしょう。

今回は、確たるデータや科学的実証がある話ばかりではないことをどうかご理解下さい。あくまでも”いち飼い主”のつぶやきです。

最近、オーストラリアン・ラブラドゥードゥルの飼い主さんとお話する機会がありました。

パッと見、スタンダードプードルに見えたのですが、よく見ると骨格や筋肉の付き方がちょっと違います。

ラブラドゥードゥルは、1970年代に目の不自由な方の依頼で交配を始めた犬種です。

ご家族に動物アレルギーがあって、盲導犬と一緒にいる自分と生活できず困っていたそうです。

そこで毛が抜けづらく、介助犬としての能力があり、あらゆる年代の方を受け入れる性格的適性等を考慮して、ラブラドールレトリバーとプードルを交配し、産まれた仔犬達の毛を検査。

その中の一頭の毛がアレルギーフリーと判定され、すぐにその仔に盲導犬訓練を受けさせ、依頼主の元でめでたく活躍することになったそうです。

そこから熱心な研究が始まり、盲導犬・聴導犬・介助犬・子供向けセラピー・医療の現場など、各場面に対応できるように大きさ(ミニチュア・ミディアム・スタンダード)・色、そして何よりアレルギーを起こしにくい毛の血統を確立するため、今も尽力されています。

現在は、カーリー・コーテッド・レトリバー、アイリッシュ・ウォーター・スパニエル等、6犬種を先祖に持つ犬をラブラドゥードゥルとしていますが、まだ日本では未登録犬種です。

そのためか、単純にラブラドールレトリバーとプードルを交配し、”ラブラドゥードゥル”として販売しているブリーダーもいますが、これは本来の目的からすると色々問題があります。

最初の交配から40年近く研究しているブリーダーでも、100%アレルギーフリーにはならないことを報告しています。(そのためアレルギー・フレンドリーという言い方をしています)

これは生物学的な見地からも当然で、むしろ自然なことです。

同時に健康な身体で、精神的にも穏やかで落ち着きのある犬であることが、求められる仕事です。

犬自身に食べ物アレルギーがあったり、遺伝性の疾患(目・耳・心臓・関節等)があっては、オーナーを危険な状況にしてしまうこともあるため、慎重なブリーディングが求められます。

現在は農業も畜産も機械化され、犬の仕事は減っていますが、犬種標準というのは、

その犬が最も健康で、その仕事を安全に全うできるための基準です。

決して「カッコイイ」「かわいい」といった見た目基準のものではありません。

そのため、以前は犬種標準にあった基準が、実際使役には使われなくなって、家庭犬としてのブリーディングが中心になっている犬種では、変更されているものもあります。

(続く)

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