超優秀成分ベタイン~食べて良し肌にも優しくタウリンと連携も
- 青い森工房
- 4月29日
- 読了時間: 4分

甜菜(ビート)から発見された成分
ベタインという成分はあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、甜菜から発見され細胞の浸透圧を調整する作用があります。機能もタウリンと似ていますが、それが含まれる食材も似ています。
・イカ
・タコ
・貝類
・エビ
・カニ
・キノコ
・小麦
・ほうれん草
・クコの実
植物性の食材にタウリンは含まれませんが、ベタインは含まれています。
ベタインは胆汁の産生を促し、肝機能を助け脂質の代謝を良くするとされています。また動脈硬化の原因物質を抑制したり、糖吸収を抑制することから、近年注目されつつあるのです。
また胃酸の量や酸度の調整するので、一部医薬品になっているものもあります。

ベタインの特徴
ベタインは水分のない環境や高塩分、高温などのストレスにさらされると細胞内で合成が進みます。つまり高温や水分不足の環境になると、保水力を高め細胞を守ってくれるのです。
その保水力の高さから、肌に優しい化粧品やシャンプーにも使われています。
(注:洗浄力の強い高級アルコール系シャンプーにも配合されていることがあり、ベタインを含むものが全て肌に優しいとは限らないので、成分の表記順序をご確認ください)
また乳酸が溜まりにくくなることから運動時の疲労が減り、筋力維持や持久力向上などに繋がるという報告もあります。

タウリンと共同作業も⁈
タウリンの他、グリシンやグルタミンなど一部のアミノ酸も細胞の浸透圧調節に関わっていますが、ベタインはそれらの濃度調整をしているのでは?と言われています。
タウリンは脳、脊髄、小腸、肝臓など体内各所にタウリンを吸い上げる専用スポイトが備わっています。それだけ体内各所の細胞調整に重要な働きをしている証拠とも言えますが、その濃度調整はベタインが担っている可能性を示唆する研究があるのです。
タウリンもまた心臓やてんかんの薬として使用されていますが、細胞内に取り込む時の濃度を調整してくれているとしたら、大変重要です。

加齢による不調を穏やかに
内臓や筋肉細胞の保護も健康に過ごすために大切ですが、脳細胞や神経細胞の保護は加齢と共に起こる様々な体調不良を軽減する可能性があります。
とは言っても、例えばほうれん草を大量に摂りすぎると、シュウ酸が過剰になり尿路結石などの原因になる場合があります。
どんなに良いものでも、摂りすぎは本末転倒です。
様々な食材から、年齢、体調、状況に応じて少しづつ摂取することをお勧めします。

ベタインを手軽に摂れる料理
青森県では花見の頃にトゲクリガニという毛がにの一種が旬を迎えます。
地域によって様々なカニがありますが、一般的にベタインはカニの肉部に豊富で、タウリンはカニ味噌に豊富です。
身にカニ味噌を付けながら頂くことで、春の臓器・肝臓 胆のうをサポートするタウリンとそれと共同作業するベタインが同時に摂取できるわけです。
自然は本当によくできていると感じます。
ベタインは小麦の中でも胚芽部分に豊富ですが、うどんやパスタなどでも摂取できます。
疲れている時にうどんなどを食べたくなるのも納得ですね。

生薬でもある小麦
わんちゃん、ねこちゃんに手作り食をされている方で、特に小麦のアレルギーがないのであれば時々主食をうどんやパスタにするのもいいでしょう。
近年、何かと悪者にされている小麦ですが、生薬では『しょうばく』と呼ばれ
・体の熱を冷ます
・喉の渇きや口の乾燥を癒す
・汗を止める
・心を養い、精神を落ち着かせる
などの効果があるとされ、不眠や子供の夜泣きなどに使用される甘麦大棗湯※(かんばくたいそうとう)や風邪の初期症状に使われる厚朴麻黄湯※(こうぼくまおうとう)などに配合されています。
ベタインもタウリンも水に溶けやすいので、これから気温が高くなる季節の水分補給に、魚介類やキノコなどを煮込んだスープを食餌時やおやつに与えるのもお勧めです。
(食材が傷みやすい季節でもあるので、すぐに飲みきれなかった分は処分してください)
ストックしやすいクコの実をスープに1粒~2粒加えたり、ヨーグルトなどにトッピングするのも手軽に取り入れやすいと思います。
※体質やその時の状況によって合う薬は変わりますので、必ず薬剤師か登録販売者にご相談上ご購入・ご使用ください。