東洋医学から見る③土用~冬本番へ


いよいよ11月7日は立冬です。

秋から土用を経て冬本番となりますが、年四回ある”土用”の中でも今の時期(秋土用)から冬の始まりにかけては、春土用(4月17日~5月4日頃)と並んで、体調不良が出やすいように感じています。

いくつかの理由が考えられますが、その一つとして五行バランスの取り方が、やや難しいことがあります。

五行とは自然界の基本物質『木・火・土・金・水』のことで、それぞれが季節や臓器・体の各器官などを象徴しています。

ざっと1年の流れを見ると

木(=春)が火(=夏)によって燃える。

燃え残ったものは土(=土用)になる。

土の中から金(=秋)が生まれる。

金が水を生み出す。

水によって木が育つ。

という感じです。

この流れに沿って毎年クルクル回っていると、それぞれの物質がどんどん増えてしまうので、それぞれ”相克”というライバル関係にある存在がいます。

例えば、火力が強すぎる時は、水で冷やす。

水の流れが強すぎる時は、土嚢を積んで調整してあげる。

金(ごんと読みます)が増えすぎた時は、火で溶かす。

木が育ちすぎた時は、斧(金)で伐採して風通しや日当たりを調整する。

そんなイメージで全身を整えます。

それを踏まえて、この数か月を振り返ってみましょう。

8月7日の立秋の頃は、まだ体感的には夏真っ盛り・・という感じですが、その頃から体は秋の準備に入ります。

の臓器は肺・大腸。体の部位は皮膚・被毛・鼻

その直前、7月20日~8月6日までは夏土用です。

土用の臓器は脾臓・胃。体の部位は筋肉、口

冷蔵庫や空調が設備されている時代になったとはいえ、この時期は食中毒が多くなりますね。脾臓の仕事が増える時期とも言えます。

また暑さで食欲がなくなり、冷たいものや口当たりの良いものばかり食べていると、胃の調子もおかしくなり、ビタミン不足から口内炎ができることもあります。

同時に空調による冷えや寝不足、脱水などが原因のむくみ・だるさ(筋肉)という症状も出やすくなります。

そのままの状態で季節が秋に移ると、担当臓器の肺と大腸はちょっと困ったことになります。

なぜなら肺は胃や脾臓からのエネルギーで活動すると考えられているからです。

(参考ブログ⇒秋~土用に起こりやすいこと

そのため、その直前の土用の時期に胃や脾臓がいっぱいいっぱいになってしまうと、肺に供給するエネルギーが不足してしまいます。

するとよく『夏風邪』と言われる感染症にかかったりします。

夏風邪の代表格として

①手足口病・・・手のひらや足裏、そして口の中に米粒くらいの水泡状発疹が出るもの。

②ヘルパンギーナ・・・高熱が出て喉の奥に水ぶくれができるもの。

③プール熱(咽頭結膜熱)・・・発熱と喉の腫れ、そして結膜炎。時に下痢を伴うもの。咽頭とは鼻にも口腔にも繋がっていて、消化管と気道の両方に属する。

三番目のプール熱などは、土用と秋に関連する臓器・部位がほぼ全て関連していて、この時期を象徴する病状でしょう。

また10月20日~立冬前日11月6日までは秋土用ですので、土用⇒秋の時と似たような症状が起こります。

つまり土用⇒秋⇒土用となりますので、元々胃が弱い、大腸の調子を崩しやすい、あるいは皮膚(被毛)に症状が出やすい体質の場合、ずっと同じような症状に悩まされることがあります。

ただ見える症状としては同じようでも、それが起こる原因は微妙に変化しているので、対処方法も変化させる必要があります。

つまり

脾臓が弱る⇒アレルゲンに反応しやすくなる⇒被毛・皮膚の異常

なのか

肺や大腸にエネルギーが供給されない⇒脱毛・皮膚の乾燥、湿疹

前者はまず脾臓の機能を高める食材を強化する必要がありますが、後者はそれに加えて胃の消化力を上げ大腸に負担をかけないこと、そして肺の機能を助ける食餌を考える必要があります。

また秋=金は鉱物⇒ミネラルのことも含みますので、そのバランスが崩れることによる結石症や貧血なども起こりやすくなると考えます。

一般的に言えば『夏の疲れが出ている状態』・・という感じでしょうか。

この後季節は冬となり、臓器で言えば腎臓・膀胱

体で言えば、骨、耳、尿道、肛門、生殖器です。

全身から回収してきた老廃物を腎臓で濾し、膀胱⇒尿道と外へ出します。

耳、肛門も腎臓で濾したものを外へ出す開口部と考えられています。

また腎臓で再吸収したミネラルなどは、骨を作る材料となりますね。

冬場は日照が減り、ビタミンDの生産量が減ります。

ビタミンDは血中カルシウム量を一定に保つ働きをしているので、それが減ると調整に腎臓の出番が増えます。

また骨へのカルシウム吸収にも関わっているので、骨まで運んだはいいけど、上手く吸収できないと、行き場がなくなるカルシウムも出てきます。

この骨に関するものとして、もう一つ重要な役割をする物質にビタミンKがありますが、これは食べ物から摂取するだけでなく腸内細菌も作り出します。

ビタミンKは、運ばれて吸収されたカルシウムを、骨に張り付けていく”のり”のような働きをしています。

つまり”秋”に大腸の働きが悪かったり、不調が出ていると、ビタミンKの生産量も減って、せっかく吸収したカルシウムもしっかり糊付けされない・・ということが起こり得るのです。

体は全ての臓器・器官が相互に関係し合って成り立っています。

そしてどんなに空調設備や着る物、医療が発達しても、季節的な疾病は変わりません。

それは体が自然の摂理から逃れられないことを示しています。

これは単純にカロリーや栄養素といった数字で管理された食事ではなく、季節に合ったどんな食材から摂取するかがいかに大切かを物語っていると思います。

(続く)

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