
あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願いいたします
いよいよ戌年がスタートしました。
記念すべき、戌年年頭にあたり
≪犬の 犬による 犬のための食餌≫
を改めて声を大にして宣言したいと思います。
・・え?!『犬による』って犬が作るのかって?
いやそれはさすがに・・(本当に犬が作業してたら楽しそうですが)
しかし何故かスタッフ・関係者に”戌年”生まれが複数おります。
(^_^;)
そんな余談はともかく、
≪犬のための食餌≫
これは私たちが常に、そして最も重要視していることです。
開発上・製造上で何か困ったことが起きた時、あるいは何か決断しなければならない時、
『それは犬のためになるのか』
『犬にとって一番良い選択なのか』
ということを考えます。
私たちのフード開発にあたって、
『水分が少なすぎる食生活』
は大きな問題点の一つとして常に課題に挙げていました。
残念ながら現代の食の安全性において”ゼロリスク”を求めるのは不可能になっています。
食品添加物に関わらず、日常に化学合成物質はあふれています。
農薬・化学肥料、食肉や養殖魚の抗生物質や環境ホルモン等々・・
食以外でも、ワクチン接種や布用消臭剤、洗剤類など、ここ数十年の間に登場した合成物質が、私たちや犬の健康に及ぼす影響は計りきれていません。
特に食品から摂取した添加物同士の複合毒や、皮膚から吸収される経皮毒に関する研究は思ったほど進んでいません。
(研究しても公表されないケースが多いのでしょう)
しかし仮にそれらを摂取しても、健康な体ならばある程度排出していく能力は備わっています。
しかし水分摂取量が足りないと、この機能は十分に発揮されません。
また栄養吸収という観点からも、適切な水分摂取は不可欠(よくある質問1)ですが、現代の犬たちの食生活には圧倒的に不足していることが気になっていました。
毎食の水分が、レトルトパウチや缶詰くらいあればいいのですが、包材や加工費が高くつき、飼い主の立場になると、「毎日続けるのはちょっと・・」という感じです。
同時に開発側から考えても、細菌類のコントロールには、PH調整剤やある種の保存料が必要になります。
潤沢な水分がある限り、これは避けられないテーマです。
また最後に容器ごと高温殺菌はするのですが、それで全ての細菌を殺菌できるわけではないのです。
化学的な処理で細菌類を休眠させて、それ以上増殖させないようにするだけです。
そして容器ごと殺菌するので、中身の中心部まである程度の温度に上げる必要があります。
すると今度は、容器に近い部分のタンパク質や脂質の劣化は避けられません。
(う~ん悩ましい。。。)
モイストフードは食いつきが良く、特に偏食にお悩みの方には人気ですが、これも化学添加物なくては難しいのが現実です。
モイストフードの水分量は25%~35%。
セミモイストと言われるものでも18%以上あります。
一般に水分量が13%を超えると、一気にカビが生えやすくなります。
分かりやすい例として、パンに例えると
食パンの水分量が一般に38%くらいです。
もちもちした食感が最近人気の米粉パンは40%以上あります。
比較的固めのライ麦パンで35%くらい。
フランスパンでも30%の水分があります。
サクサクしたクロワッサンだと20%。
袋詰めでスーパーに売っているパンはともかく、街の手作りパン屋さんの食パンは
夏場など1~2日でカビが生えてしまいますよね。
またクロワッサンなどは、翌日になると湿気でサクサク感がなくなり、25%前後含む脂質が劣化した匂いがしてきます。
水分があることで発生するカビや細菌類の防御。
そして脂質の劣化を防ぐことの難しさは、パンに置き換えて想像して頂くと分かりやすいかもしれません。
またドッグフードの場合、パンよりはるかに多いタンパク質を含むので”腐敗”との戦いもあります。
(つづく)