おっしゃる通りです。
「危ない危ないと煽るのは良くないと思います」
とのご指摘がありました。また
「サラダ油はコレステロールを下げるという科学的根拠があります。そこまで悪いものではないと思います」
とも・・。
煽るつもりはなかったのですが、そのように感じられた方もいらっしゃたようなので補足します。
以前のブログ(サラダ油はどうしてダメなの?)にて
『・・・様々な意見があるのは承知しています』とお断りしたように、様々な意見がある中で熟考した結果、私たちはこのような考えの下、もの作りをしていますという意志表明に過ぎません。
それ以外の研究結果や考え方を否定するものではありません。
確かにトランス脂肪酸は、牛乳やバターなどにも微量ですが含まれます。
そして、やはり加熱によって増えることも事実です。
実際、バターを30分加熱し続けるとトランス脂肪酸は増えます。
しかしその量は、増えてもコーン油や大豆油の1/3程度です。
またサラダ油の摂取によって、コレステロール値が下がるというデータがあるのも事実です。
しかしこれらの調査を詳しく読むと、実験は数週間から数か月の観察結果がほとんどです。
5年、10年と長期に渡る調査ではないため、私たちは、”脂質が及ぼす細胞レベルの影響”の論拠としては弱いと判断した次第です。
特に、神経細胞への影響に対する評価は、慎重であるべきだと考えています。
なぜなら、皮膚や内臓の粘膜・筋肉などの細胞は、古くなったり損傷した場合、作り変えることができます。
家に例えれば、建て替えが可能なのです。
よくお肌のターンオーバーは約1か月とか、赤血球は120日で入れ替わると言われるのは、建て替え可能な細胞であるということです。
ところが、神経細胞はワンサイクルが120年と言われています。
『人間は120才まで生きられる』と言われているのは、この神経細胞の推定寿命が根拠になっていると思われます。
つまり、生きている限り、作り変えられる可能性はなく、常に細胞内の材料をリサイクルして活動しているのです。
家に例えれば、常時リフォーム物件です。
そもそもトランス脂肪酸が問題視される理由の一つに、『体内で分解しにくい』というのがあります。
分解しにくいは分解できないとイコールではありません。
言い方を変えれば、”少しなら分解できる”ということです。
体の声を代弁するなら
『ちょっと珍しい型の脂質であるトランス脂肪酸は昔から摂取していたから、それを分解する対応力は作ってある。でもこんなに大量入ってきたことがないから、処理しきれなくて困っている』という感じでしょうか。
もちろん、将来的にトランス脂肪酸の分解を強力にアシストする腸内細菌や代謝酵素が出てくる可能性が絶対ないとも言い切れません。
しかし生物の進化のスピードを考えると、まず自分・子供・孫くらいの世代では間に合わないでしょう。
今私たちに出来ることは、極力摂取量を少なくすることだと思います。