東洋医学から見る38~湿気と暑さを夏野菜で整える


ナスのパワー

夏野菜を代表するナスは、体を冷やす効果が高いことは昔から伝わっています。

「秋ナスは嫁に食わすな」という言葉があるくらい、夏以外の季節は鷹の爪や生姜、ニンニク味噌などを合わせる工夫が必要です。



そして夏場であっても食べ過ぎは禁物です。



裏を返せばそれだけパワーが強く、炎症が起きている時や水滞によるイボ・腫瘍対策には力強い助っ人です。

単純に冷やす力だけでなく、あの紫色の色素(フラボノイド)に様々な有効成分があるとされています。



於血になりやすい夏

暑さによって気づかないうちに肌からも水分が蒸散します。

そのため汗をかいていなくても脱水になるのです。エアコンによる乾燥も肌だけでなく、体全体で捉える必要があります。



脱水=水分不足は、血液がドロドロになるイメージですが、そうなると夏の臓器・心臓は血液を送り出すためにより強いパワーが必要になります。



ドロドロ状態でスムーズに流れず、

・腎臓で不要なものをしっかり濾せない、

・排出できない


こういった状態が続くと汚れたままの血液が循環することになり、様々な体調不良の原因になります。

この汚れた状態の血液を東洋医学では”於血(おけつ)”と言います。



それはまさにヘドロやゴミが溜まった水路のようで、流れが滞り悪循環に陥ります。

これは”水滞”と呼び、むくみやイボとして表れることがあります。



夏場って、たくさん汗も出るのに何で浮腫むの?と思うかもしれませんが、出るばかりで適正量が入ってきていないと浮腫むのです。


そしてよく

・夏場にイボができやすい

・中高年の顔や首回りにできるイボ

なども同じメカニズムと考えられており、心臓の負担が腎臓を弱らせ、水滞が起こることでできます。



於血を取り、水滞を改善するナス

年齢を重ねると腎は次第に弱るのですが、なかなか自覚しにくいと思います。


でもイボとして出た時は、腎臓からのサインと考え水分とミネラル補給、そしてその状況に適した食材を取り入れることでサポートできます。


その食材の一つがナスです。



ナスにはビタミンPが豊富で、これは活性酸素を除去したり毛細血管を強くする効果があるとされています。

ビタミンPとはフラボノイドの総称で、ポリフェノールの一種です。


”アンチエイジング”で人気の成分ですね。


ナスにはこれが豊富に含まれているのです。

そういう観点からも、シニアには必要に応じて”適量”与えたい食材です。


夏の臓器・心が弱まると連動する脾の問題

於血や水滞の影響で心臓の負担が増えて疲弊してくると、そのエネルギーで活動している脾へのエネルギー供給も弱まります。



そう脾は土用の臓器です。

夏土用はだいたい7月20日頃~8月7日頃ですが、

土用期間以外も湿気が多い日本の夏は、”心”だけでなく”脾”もセット意識した方が良いでしょう。




於血増大⇒心臓の負担増える⇒腎臓の処理が追い付かなくなる⇒水滞⇒心臓の疲弊⇒脾のエネルギー不足



こんな経過を辿った結果、

・食欲不振

・食あたり

・だるさ

・夏バテ

というような症状として表れるのです。


つまり逆回転させて原因を辿っていくと『水分不足から起こる於血』というのは夏場に起こり得る様々な不調の元凶になり得るのです。



脾・胃の状態が現れる口

脾・胃の状態は口に現れるのですが、口臭や口内炎、歯肉炎という形になって出ることもあります。


そんな時もナスは最適で、ヘタを焼いてつぶし、実際に炎症を起こしている所に塗るという使い方もできます。


食べて胃の熱を冷ますことでも、口の中の炎症を鎮めることができ、食べて良し塗って良しの素晴らしい食材です。